奇跡の道・学習書

一部・第二十二課

 自分が見ていることは報復の一つのかたちである。

 

 今日の想念は、だれであれ自分の心に攻撃的な思いを抱いている者が、見ているに相違ない世界を正確に描写している。自分の怒りをまわりの世界に投影しているので、その人は自分が今にも報復されそうだとみている。その人が自分で攻撃することは、かくして自己防衛だと知覚される。こうしたことが、ますます悪循環になってしまい、その人が自分の見方を変える気になるまでつづく。その気にならなければ、その人は攻撃や反撃の思いに夢中になるし、そんな思いを自分の世界全体に宿らせる。そうなったら、どうしてその人の心が平安でいられるだろうか。

 

 こんな残酷な空想からあなたは逃れたいと思っている。そんなことは本物ではないということを耳にするのは、喜ばしい知らせではないだろうか。逃れることができると分かるのは嬉しい発見ではないだろうか。あなたが破壊しようとしているもの、憎しみのあまり攻撃し殺すつもりでいるもの、そのすべてをあなたは自分で作った。あなたが恐れているものは全く存在しないのである。

 

 今日は、自分のまわりの世界を少なくとも五回、そのたびに最低でも一分間、よく見てみること。一つの物から次のへ、一つのからだから次のへと、 目をゆっくり動かしながら、胸のなかで次のようにいう。

 

 自分は腐敗してしまうものだけを見ている。
 自分にはいつまでも持ちこたえるものなど、
 何一つ見えない。
 自分が見ているものは本物ではない。
 自分が見ていることは
 報復の一つのかたちである。

 

それぞれの実践時間の終わりに、自分自身に次のように聞いてみる。

 

 これが自分の本当に見たいと思う世界だろうか。

 

その答えはまちがいなく明らかである。


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