奇跡の道・学習書

一部・第十九課

 自分の思っていることが及ぼす影響を感じるのは、自分ひとりではない。

 

 今日の想念は明らかに、あなたの見ることはあなたひとりに影響を及ぼすのではないという理由である。時には思うことに関連した想念が、知覚することに関連したのより先におこったり、その順序が逆になったりする時もあるということに気づくだろう。その理由は、順序そのものはなんの関係もないからだといえる。思うこととそれが及ぼす影響は本当に同時に起こるということであって、原因と結果は全く分離していないからである。

 

 今日、我々はまた、心というものは一つに結ばれているという事実を強調している。これは、最初から全面的に快く受け入れられることなどめったにない想念だといえる、それというのも、それには重大な責任感を伴うように思えるし、「個人の秘密の侵害」だと見なされるかもしれないからである。しかし、私的な思いというものなどないのは事実。あなたはその想念にたいして最初は抵抗があるだろうが、それにもかかわらず、もしかりにも救いの可能性があるとすれば、それは真実に違いないということが理解できるようになる。そして救いは神の御意志であるから、可能であるに相違ない。

 

 今日の練習課題には、一分ほど心の中を注意深く探す必要があるが、それは目を閉じてするといい。今日の想念を最初にくりかえして、そのあとその時点で心のなかにある思いを念入りに探すこと。それぞれの思いをみてみるとき、それに含まれている中心人物や主題に名前を付けて、それを自分の心にとどめながら次のようにいう。

 

 この(   )についての思いが
 及ぼす影響を感じるのは、
 自分ひとりではない。

 

 実践時間用の対象を選ぶときには、できるだけ無差別的にする必要があるということは、もうかなりよくわかってきただろうから、これからはそのことを毎日くりかえしては言わないが、ときどき思い出させるために言うことにする。しかしながら、実践時間用の対象はすべて、手当たりしだいに選ぶことが重要であるのはこれからもずっと変わらないということを忘れないように。こうしたことに関しても順序はないということで、究極的には、奇跡に順序はないということを認めることができるようになる。

 

 今日の想念を「必要におうじて」適用し、その他に少なくとも三回の実践時間をとり、もし必要ならそれに要する時間を短くすればいい。四回以上やってみようとはしないことである。


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