奇跡の道・学習書

一部・第百九課

 自分は神のうちに安らぐ。

 

 我々は今日、安らぎを願おう、そしてこの世界の外観にすぎないことに動揺しない平穏も。夢と夢が衝突することで引き起こされるありとあらゆる混乱のさなかで、平安と静けさを願おう。危険と悲しみを見ているように思えるが、安全と幸せを願おう。そして、我々には自分たちの願いを自分たちの要求で答える思いがある。「自分は神のうちに安らぐ」この思いはあなたが求めている安らぎと平穏、平安と静けさ、安全と幸せをもたらしてくれる。

 

 「自分は神のうちに安らぐ」この思いにはあなたのうちに眠っている真実を目覚めさせる力があり、あなたの洞察力は外観を越えて、すべてのものやすべての人のうちにあるその同じ真実を見つめる。ここで、世界中の苦しみは終わり、今までに来た人やまだこれから来てしばらく残る人、その一人ひとりの苦しみは終わる。これこそ、神の子が再び生まれ、自分自身に気づくことになる思いである。

 

 「自分は神のうちに安らぐ」全くうろたえることもなく、この思いがあなたを嵐や争いを通り抜け、惨めさや苦痛を通り越し、失ったものや死を通り越して、神という確実なものへと連れて行ってくれる。それが癒せない苦しみは全くない。それに解決できない問題は一つもない。そして神のうちに安らぐあなたの目の前で、外観にすぎないものも一つ残らず真実に向かう。

 

 今日こそ平安な一日。あなたは神のうちに安らぎ、この世界が憎しみの風で引き裂かれているうちも、あなたの安らぎは少しもかき乱されてはいない。あなたのこそ真の安らぎ。外観にすぎないものがあなたの邪魔をすることはできない。あなたがみんなに呼びかけて、あなたの安らぎに加わるようにと言うと、あなたは神のうちに安らいでいるので、みんなその呼びかけを聞いてやってくる。その人たちがあなたのとは別の声を聞くことはないというのも、あなたは自分の声を神に渡し、今は神のうちに安らいで、神にあなたを通して話してもらっているからである。

 

 神のうちにて、あなたには何の気苦労も心配もなければ、重荷や不安や苦痛などないし、将来に対する恐れもなければ過ぎたことで後悔することもない。時間があなたに影響を及ぼすことなく過ぎゆくあいだ、あなたの安らぎは決してどのようにも変わらないので、あなたは時を超越した状態にて安らいでいる。あなたは今日、安らげる。目を閉じながら、静けさのなかに入り込むがいい。こうした安らぎと休息の時間には、自分の心にその血迷った空想はみな、過ぎ去った熱狂的な夢にすぎなかったと安心させることだ。静かにして、感謝のうちに癒しを受け入れさせることである。もう恐ろしい夢は生じない、今やあなたは神のうちに安らいでいるのだから。今日は、夢から平安へとそっと入り込む時間をとってほしい。

 

 今日あなたが一時間ごとに安らぐたびに、疲れた心は突然よろこびを覚え、翼のおれた鳥はさえずりはじめ、ながいあいだ干上がっていた小川がふたたび流れはじめる。この世界はあなたが安らぐたびに生まれ変わる、一時間ごとに自分がこの世界に神の平安をもたらすために来たことを思い出せば、この世界もあなたと共に安らぐことだろう。

 

 今日あなたが五分間安らぐたびに、この世界が目覚めるときは近づいている。そして疲労しすぎて一人では進めないほど、疲れ果てたすべての心にとって、安らいでいさえすればいい時がすぐそこまできている。だからそうした心は小鳥がさえずりはじめるのを耳にし、小川がまた流れ出すのを目にし、希望がよみがえり元気を取り戻して、急に道のりが容易になったように思え、足どりも軽く歩んで行くだろう。

 

 あなたは今日、神の平安のうちに安らいでおり、自分が安らいでいるところからきょうだいたちに呼びかけ、自分と一緒にその人たちも安らげるようにと引き寄せる。あなたは今日、自分の信じることに忠実になり、だれ一人忘れることなく、あなたが安らいでいる神聖な場、限りないあなたの平安の輪のなかへとみんなを連れてくるだろう。その神殿のとびらを開けて、世界中の遠くからも近くからも、あなたの遠縁のきょうだいたちや親しい友人たちにきてもらい、みんなここへ入って一緒に安らいでほしいと願うがいい。

 

 あなたは今日、神の平安のうちに安らいでおり、穏やかな気持ちで何一つ恐れてはいない。それぞれのきょうだいが安らぎを得るために来ては、あなたにそれを差し伸べてくれる。我々はここで一緒に安らぎ、そうすることで我々の安らぎは完全になり、今日、与えるものをすでに受け取っている。我々が今日、与えるものを時間が保護するわけではない。我々は、まだ生まれていない者や過ぎ去った者に与えるし、神の御思いの一つひとつにも、そうした御思いが生まれ安らいでいるという御心にもあたえる。そして我々が自分自身に「自分は神のうちに安らいでいる」と言い聞かせるたびに、そうした御思いであるものたちにも安らぎの場を思い出させるのである。


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