奇跡の道・学習書

一部【復習四】序論

 ここでまた復習することにするが、この度は、第二部でどうすれば真実であることを適用できるか、それを学習する用意をしているのだと知っておいてほしい。今日からは、つぎに続くことに必要な準備に専念し始める。こうしたことをこの度の復習とそれに続く課題で目指すことにする。したがって、最近の課題とそれに含まれていた中心的な思いを復習するのに、それを我々が、これから準備ができたといえるようになれるときがくるのを速めるようなやり方でやってみよう。

 

 我々がこれから取りかかる復習の各段階を統一する主要な題目があるが、それをつぎのように簡単に述べることができる。

 

 自分は神と共に思うことだけを抱いている。

 

それは真実であり、あなた本来のすがたとあなたの御父の本来のすがたとに関する真実を表している。こうした想いによって、御父は創造なさったものを御子に授けられ、御子をご自分との共同創造者と定められたのである。こうした思いこそが御子に救いを十分に保証する。その御子の心には、御父が分かち合っておられる思いしか留まれないのだから。許そうとする気持ちに欠けていると、それがこうした思いを自覚できなくさせる。だが、それは永遠に真実である。

 

 では先ず、真の許しに欠けていることが注意深く隠されている色々なかたちを少し理解することから、我々の準備をはじめよう。そうしたかたちは錯覚なので、即それがそのまま、自分の許そうとしない思いを見つけ、そうだと気づかれてしまうことのないようにする為の防衛策だと知覚されることはない。そうしたかたちの目的は、何か他のものをあなたに見せ、自分で自分の心をあざむいてそれに代わりをさせ、訂正を遅らせることだ。

 

 ところがあなたの心は神と共に思うことだけを抱いている。あなたが自分で自分の心をあざむこうとしても、そうすることで真実に取って変わることはできない。それは子供が小枝を海へ投げ入れたからといって、潮の満ち引きや、太陽で水が温かくなるのや、夜になって銀色に輝く月が海面に映るのを、変えることなどできないというのと同じである。だから我々もこの度の復習を実践する時には、そのつど自分が読む課題を理解し、その言わんとする意味がわかるように心の準備をしてはじめることにする。

 

 毎日、その日のあなたが復習するそれぞれの想念が差し伸べてくれることを、自由にそして平安のうちに習えるように、自分の心の準備を整えるために専念することからはじめるがいい。自分の心を開き、だまそうとする思いをすべて一掃し、つぎにあげる思いだけに心を集中させ、ほかのは取り除くことだ。

 

 自分の心は神と共に思うことだけを抱いている。

 

この思いを抱いて五分間すごせば、それで十分その日を神が定めた方針にそうようにし、あなたがその日受け取る思いをすべて神の御心に任せる気になるだろう。

 

 そうした思いはあなた一人から生じるわけではない、それはすべて神と分かち合われるのだから。そしてそれが、一つひとつ神が愛してくださっているという伝言をあなたにもたらしてくれるし、あなたの伝言を神に返すことになる。それに大勢のものの御主たるお方とあなたは霊的に交わるようになる、そのお方がそう意図なさったのであるから。そのうえ、その御主ご自身を完成させるものが加わると、御主も、あなたとそのお方が一つに結ばれ、そのお方とあなたとが一つに結ばれることで完全となったあなたに、加わってくださる。

 

 準備ができたら、ただその日あなたが復習するために割り当てられた二つの想念を、一つずつ読むだけでいい。そのあと目を閉じて、その想念をゆっくりと自分の胸のなかで言ってみる。今や何も急ぐことはない、あなたは時間をその意図された目的のために使っているのだから。それぞれのことばは、神の御声によってあなたに与えられているので、神がそれに与えられた意味で輝かせることだ。あなたがその日に復習するそれぞれの想念に含まれている神からの賜物は、あなたのためのものだから、それを与えてもらうといい。そして我々が実践するときには、つぎのような形式だけを使うことにする。

 

 一日をとうして一時間ごとに、その日のはじめに抱いた思いを心に思い浮かべ、静かなひとときを過ごす。そのあと、その日実践する二つの想念を、それに含まれている自分のための贈り物をも見つけられるように、十分な時間をかけて急がずにくりかえし、そうした贈り物が与えられることになっているところに受け取らせるがいい。

 

 我々は他の思いは何も加えないで、ただこうした思いをそのまま伝える。これだけで、我々に幸せと安らぎ、限りない静けさと申し分ない確信を与えてくれるし、御父からの遺産として我々に受け取るようにと御父が意図なさっているものを、すべて与えてくれる。復習しながら実践する毎日を、その日をはじめたやり方で終わることにする。先ずその日を我々にとって祝福と幸福に満ちた特別な時にした思いをくりかえし、我々の誠実さでこの世界を暗闇から光へ、深い悲しみから喜びへ、苦痛から平安へ、罪から神聖なすがたへと回復させる。

 

 神は、こうして神の御言葉を守ために実践する者に感謝なさる。そしてあなたが床に就く前にもう一度、自分の心をその想念にささげれば、神の感謝の念が、御自らあなたがそこに永遠に留まるようにと意図なさっている平安のうちにあなたをつつみ、今こそあなたはそれを再び自分の受け継いだものとして、その権利を主張するようになる。


◀︎第百四十課第百四十一課▶︎

奇跡の道 -兄イエズスの教え- 購入先

「奇跡の道」には、ペーパーバック、電子書籍(Kindle)、PDFファイルがあります。また、読むのが困難な方、音声で聞きたい方のために、田中百合子さんご本人による「奇跡の道」の朗読がポッドキャストで無料配信されています。ご購入・詳細は、訳者・田中百合子さんのウェブサイトの「書籍ご案内」をご覧ください。

こちらからどうぞ ▶︎