奇跡の道・学習書

一部・第百五十七課

 今こそ、そのお方の御面前に立とう。

 

 この一日は静かな期待に満つる日である。あなたの暦(こよみ)に記された特別な約束の時。天国が別にされてこの日のために輝き、無限の光をかかげ、永遠なるもののこだまが聞こえる。この日は、新たな経験、いままでとは違う気持ちや自覚を経験させてもらえるので、神聖な一日となる。あなたは長い間、日夜を問わず死の儀式を行うために過ごしてきた。今日こそ、あなたは生きる喜びを感じるようになる。

 

 これは履修課程におけるもう一つの重要な転機である。我々はここで新しい側面を加える、この新たな経験は我々がすでに学んだことにみな光をあて、まだこれから習うことのために準備をさせてくれる。それが我々の学習が終わる扉へと連れていってくれるし、それによって達し得る範囲の、一番上を越えたところにあるものを垣間見ることになる。そこにほんのしばらく留まってから、自分たちの行き先と唯一の目標に確信を持って、その向こう側へと進んで行く。

 

 今日、あなたは天国にいるような気持ちを感じさせてもらえるが、あなたはまだ学びの道へ戻ることになる。しかしあなたはその道に添って遠くまできており、時間の法則を超越するに足るだけの時間を変更するにはそれで十分なので、しばらくは永遠の世界へと入り込める。一つ一つの課題を忠実に稽古するにつれ、だんだんこれができるようになり、よりすばやくこの神聖な場にきて、しばらくの間あなたの真の自己と居られる。

 

 その真の自己が今日あなたの実践することを指示してくれる、今やあなたの願うことはその真の自己の意図することであるから。そしてこの日、あなたの意志を真の自己と一つにしたので、あなたが願うことは必ずかなえてもらえる。あなたの心を照らし、静かな期待と穏やかな喜びのうちに安らかにさせるには、今日の想念さえあれば何も必要ないし、そこであなたは素早くこの世界を後にする。

 

 この日から、あなたの使命は純粋な深い愛情と輝きを帯びてきて、それがあなたの指先からあなたの触れる人たちに伝わり、あなたが見つめる人たちを祝福する。洞察力による心像は、あなたが出合う人や心に思い浮かべる人、あるいはあなたのことを思っている人、その一人ひとりに達する。あなたが今日、経験することはあなたの心を一変させるので、いわばそれが神の神聖な御思いへの試金石となる。

 

 あなたのからだは今日、神聖にされ、今やその唯一の目的は、この日あなたが経験することについての心像をこの世界にもたらして、そこを明るくすることである。我々はこうした経験を直に与えることはできない。しかしそれは我々の目にその心像を残してくれ、それをだれにでも差し出せるし、その人が同様の経験をより早く味わい、そのなかでこの世界を静かに去り、しばらくの間天国を思い出せるかもしれない。

 

 こうした経験がましていき、これ以外の目標はほとんどみな価値が無くなってきたら、あなたが戻ってくるこの世界は、時間が終わるときに少し近づいているし、その様子はもう少し天国に似てくるし、解放される時が少し近くなっている。そしてそこに光をもたらす者たちはもっと確実にその光を見るようになるし、その心像ももっとはっきり見えてくる。そのうち、あなたは今現われているすがたには戻らない時が来る、あなたにはその必要がなくなるのだから。しかし今それには目的があり、よくその役に立っている。

 

 今日、我々はあなたの夢見たこともない道へと乗り出すことになる。しかし聖なるお方、生きることについて幸せな夢を与えてくださるお方、知覚を真実に変えてくださるお方、天国への聖なる案内役としてあなたに与えられているお方が、今日あなたが出発することになるこの旅路を、あなたのために夢見てくれたのであり、この日が差し伸べてくれる経験はあなた自身のものとなるのである。

 

 今こそ我々はキリストの御面前にたち、落ち着いた気持ちでそのキリストの輝ける顔とこの上ない御愛だけを自覚する。キリストの顔を心に焼きつけた像はずっとあなたの心に留まるが、いつかは、すべての心像、この最も神聖な分でさえも超越する一瞬がある。このことをあなたが教えることは決してない、あなたはそれを学習して得たのではないから。しかしあなたがその一瞬に分かったこと、それについて覚えていることを、その心像が教えてくれるし、それがまた分かるようになるのは確実である。

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